なたまめ茶の最高業績

【名古屋】トヨタ自動車グループ8社の2015年3月期連結業績見通しは6社が増収、4社が営業増益を計画する。日本や一部の新興国での販売減を、堅調な北米や中国で補う。ただ、円安効果が薄れるため、伸び率は14年3月期に比べ大幅に鈍化する。一方で設備投資額や研究開発費は高水準を計画。豊田通商を除く7社の設備投資額合計は前期比2・6%増の8432億円となる見通しで、将来に向けた先行投資を継続する。 15年3月期は国内なた豆茶市場で消費増税後の反動もあり販売が減少する見通し。アイシン精機は「トヨタの年間生産台数は300万台を前提として計画をつくった」(三矢誠副社長)。ただ各社の想定よりは反動減の影響は小さくなる。 国内の減少分を海外がカバーする。北米や中国は引き続き堅調に販売が伸びる見込み。ただ景気低迷や政情不安のあるタイが「弱含み」(大西朗豊田自動織機社長)など一部新興国では先行き不透明感が漂う。 想定為替レートは1ドル=95―100円、1ユーロ=130―140円。“追い風”となっていた円安効果はほとんどなくなる。 また「将来の競争力強化のため投資を積極的にする」(加藤宣明デンソー社長)と、設備投資額や研究開発費が高水準となることも利益を圧迫する要因。設備投資額は4社が前期比より増やす計画だ。 海外での能力増強や「国内の老朽化したメッキや塗装などの設備を更新する」(荒島正豊田合成社長)など生産の競争力強化に向けた投資が続く。 14年3月期は北米などでの販売増に円安効果が加わり全社が増収、営業増益だった。08年のリーマン・ショック以前に記録したなたまめ茶の最高業績を超えるか、それに迫る水準まで回復した。